
現在、日本において多くの方が活動量、肥満、睡眠などの生活習慣に関連する問題を抱えており、生活習慣は代謝系や循環系、神経系など様々な問題と関連します。また、腰痛などの運動器障害は高齢者の生活空間の縮小化や就労者の労働生産性の低下などに繋がり、個人の生活の質だけでなく社会レベルにおいても大きな影響を及ぼします。近年、運動器障害と生活習慣の関係が明らかにされつつあり、運動器障害に関わるうえで生活習慣への視点が欠かせないものとなっています。しかしながら、地域在住高齢者および就労者の運動器障害と生活習慣のそれぞれの因子の因果関係や重要度(重みづけ)、生活習慣に基づく介入の効果についてのエビデンスはまだ十分にあるとは言えない現状です。
地域在住高齢者および就労者の腰痛などの運動器障害と生活習慣との関係をより多角的に検証し、それらに基づいた介入の効果を明らかにすることです。
本研究により、地域在住の高齢の方や就労者の運動器障害に対する生活習慣の重要な因子や介入による効果が明らかになることで、運動器障害に対する生活習慣の各因子の重要度や生活習慣に基づく介入のエビデンスの構築に貢献できると考えています。また、それに伴う地域在住高齢者の社会参加や就労者の労働生産性、生活の質の向上に繋がることを期待しています。これらの研究によって得られた情報は、学術的な発信だけでなく市民公開講座などで一般の方に対しても知っていただき、運動・生活習慣の重要性や具体的な対処方法について考えるきっかけとなってほしいと考えています。
まずは地域在住高齢者および就労者の運動器障害に対する生活習慣のそれぞれの因子の因果関係および重要度を検証し、次段階としてその結果を踏まえた介入方法の検討・効果検証を行っていく予定です。また、現状の予定に加え、今後のコア研究の身体・精神領域で得られた結果を取り入れながら研究を展開していきたいと思っています。
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