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モジュール研究

学内環境向上システムの開発

  • 社会領域

#研究キーワード

大学内には,教育や業務における課題が複数存在しています。たとえば,臨床検査技師になるためにエコーの技術を身につけることが必要ですが,学内にはエコー装置が2台しかなく,学生は十分な訓練時間を確保することが困難です。また,練習をおこなう場合でも被験者を用意する必要があることも訓練をおこなうことを難しくしている要因の一つです。他にも,学内の業務では太陽が丘キャンパスにおいて書類等の受け取りや提出を2号棟まで移動しなければならず,2号棟以外の教員や運搬をおこなう職員のストレスとなっています。
このような学内における課題を解決,仕事の効率化をおこなうことによって利用者の学内生活における主観的な評価を向上することを目的として研究をおこなっています。さらに,新たな教育システムを導入するとき,対象とする学生や職員がどのような動機づけやアイデンティティ等の特性を持っているのかを考慮しなければ,再現性を担保することが難しいです.そのため,大学生の特性について定量的に評価をおこないます。

エコー技術習得システム

心臓のエコー検査は,数ある臨床検査技術の中で最も熟練を要するもののひとつであり,臨床検査技師養成課程では,診断に適した画像を得るための技術の習得が求められます。診断に適した画像を得るための技術は,頭の中に心臓の立体像をイメージしながら手元の機器を操作するため,認知的にも技巧的にも高度な技術であり,習得が容易ではありません。その理由の一つとして,学習者の頭の中に描いた心臓の立体イメージが形成されていないことが考えられます。そのため,学習の第1段階として頭の中の心臓の立体イメージを獲得するためのシステムを構築します。
作成したエコー技術習得システムによって,これまで以上に心臓のエコー検査技術の習得に掛かる時間が少なくなると考えられます。また,本システムは心臓以外のエコー技術習得にも応用ができるため,大学で習得・習熟することができる技術も増えることが予想されます。学習のための装置が学内に少ないという問題は,北陸大学以外の大学でも生じているため,作成したシステムは日本の臨床検査技術の向上に寄与する可能性があります。

学内配送ロボットの開発

教員や職員のストレスを軽減するために,学内での荷物の配送をおこなうことのできるロボットを開発します。ロボットとそこで生活をおこなう人が相互に影響し合うことで,ロボットに接した人に対して正の影響を与えることがあることが知られています。そのため,学内にロボットが走行していることを学生が面白いと感じている場合,大学への帰属意識などが高まり,勉学等への良い影響があることが予想されます。そのため,ロボットが学内を走行していることによる影響について定量的に評価することを試みます。また,ロボットの見た目については北陸大学のマスコットキャラクタであるふくろうをモチーフとしたデザインを学生に公募して決定する予定です。

大学生の特徴の定量的評価

学内の環境向上するためのシステムを構築するためには,学内で生活をしている学生等の特徴を把握する必要があります。学生の特徴を把握することで,作成したシステムやロボットがどのような学生に対して効果があったのかを知ることができます。そのように,作成したシステムと学生の特徴の関係性を明らかにすることで,作成したシステムを効果的に利用することができる環境かどうかを判別することができるようになります。
大学生の特徴は,大学生のアイデンティティの形成や自己調整方略,動機づけ等をアンケート調査によって明らかとします。調査の結果は授業にフィードバックをおこない授業の質の向上を図るとともに,自動レポート採点等の授業補助システムの作製もおこないます。

研究関連画像(※タップで拡大画像を表示できます)

Research Team

田部田 晋

田部田 晋

経済経営学部・経済学科・講師

關谷 暁子

關谷 暁子

医療保健学部・医療技術学科・准教授

丸山 洋三

丸山 洋三

経済経営学部・マネジメント学科・准教授

斎藤 英明

斎藤 英明

経済経営学部・経済学科・准教授

篠原 史成

篠原 史成

経済経営学部・マネジメント学科・講師

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