学生時代の研究経験が今の自分をつくる基礎に。 一般社団法人日本血液製剤機構 生産本部 千歳工場 品質管理部長倉橋 英志氏 1989年 薬学部衛生薬学科 卒業 1991年 北陸大学大学院 薬学研究科修士課程 修了 現在の仕事 日本血液製剤機構(Japan Blood Products Organization:JB)は、日本赤十字社の献血に協力していただいた方の善意の血液(血漿成分)を主に「血漿分画製剤」を開発・製造・販売する事業を展開しています。血漿分画製剤は医療用医薬品であり、多くは中・重症用の病院で使用され、患者さんの命や健康を守っています。 私は入社後、製造現場で血漿タンパク質の分離と精製に従事した後、技術開発に携わりました。現在は千歳工場の品質管理部長として、血漿分画製剤の品質の安全性と安定供給を担う使命感と責任感を胸に、業務に取り組んでいます。 学生時代の思い出 私が在学していた頃の薬学部は4年制でした。そのまま卒業して就職するより、興味を持っていた有機化学を深く学び、研究職を含めて就職の幅を広げたいと大学院に進学しました。 薬化学教室の担当教官だった指田教授から貰ったのは、「世界で初めての有機金属化学物を合成する」という大きな研究テーマでした。苦労の連続で、多くの時間を原料の化合物を作ることに費やし、なかなか修士論文が書けない状態でしたが、卒業の数か月前に目的の新規化合物(3-ベンゾテルレピン)の合成に成功し、一発逆転することができました。イギリスの化学雑誌に速報として掲載されるなどインパクトのある成果を出せたのは、恩師に粘り強く指導していただいたからこそです。こうした学生時代の経験は、社会に出てキャリアを積んだ今も、自分の基礎になっています。 今も続く母校とのつながり 北陸大学では恩師や仲間との出会いに恵まれした。今でも友人と連絡を取り合っていますし、シーズンになると恩師や先輩、後輩らとスキー旅行で志賀高原やニセコを訪れ、楽しく有意義な時間を共有しています。 学生時代の人のつながりで、薬化学教室の出身者を当社の社員として迎えたこともありますが、今では周囲に頼られる人材に成長しています。キャンパスから社会へ、未来へと続く北陸大学の広がりを実感しています。 ※所属・肩書は取材時点(2024年3月)のものです。 ロングインタビューはこちら 北陸大学の未来へ。 募金のお願い本学が標榜する「学生の成長力No.1の教育」の継続実践に資することを目的に、皆さまのご厚志を募っております。ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 View More